以外に華やかではない海外ホームステイの添乗員の実態

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“小中学生対象の短期ホームステイの添乗員をしていたことがあります。自分がホームステイに行く側だった時は、添乗員のお姉さんたちは英語も話せるし、その仕事はとても華やかに見えました。が、実際はそうではありません…

添乗員の仕事は、参加者が決まった後、彼らの個人情報の確認から始まります。一体どういう子どもたちがいるのか、問題を抱えた子どもはいないのか、という確認をするのです。例えば日本国籍を有さない子どもがいる場合は、出国や入国のパスポートの提示の際に周りから無遠慮なことを言われないように配慮する、母子家庭の子どもがいる場合は、母子家庭はいじめの対象になりやすいため、周りにその事実が分からないように配慮するなどです。また、どの子とどの子が知り合いなのかということも確認しますし、これは自己申告ですが学校で悩みを抱えている子どもはいるか、どんな性格の子どもがいるか、ということもしっかり確認します。

とは言え、先入観を持ってはいけませんので、事前オリエンテーションではできる限り多くのご両親や子どもたちと話し、どういう子どもたちなのか、どういう家庭なのかということも確認します。私が小さい頃は「かっこいいなぁ」と思いながら見ていた添乗員が、そこまで細かく子どものことを見ているとは思ってもみませんでした。

子どもたちは滞在先の国からホストファミリーの情報をもらっていますが、たまにその情報は間違っている場合があります。というのは、ホームステイというのはあくまで日本の事務所と海外の事務所が提携して行っているものですので、現地の事務所がホストファミリーを手配しますが、やはり日本よりも業務が雑なことは少なくなく、ホストファミリーの情報が間違っていることもあり得るのです。これは子どもたちの日本の家族に伝えなければなりませんので、子どもたちがホストファミリーに会った後は家族構成をしっかり確認します。よくある間違いは、ホストシスターがブラザーだったなどの性別の間違い、年齢の間違い、紙に書かれていなかった兄弟がいた、書かれていた兄弟がいなかった、などです。職業が違う程度では問題がありませんが、兄弟構成が違ったなどは子どもたちが持ってきたおみやげにも影響し、「どうしよう、数が足りない」などと不安になってしまう子どももいるため、しっかりフォローをしなければなりません。

また、子どもたちがホストファミリー宅でうまくいかないことがあれば、随時対応します。子どもたちは基本的にホストファミリー宅のルールに従って生活しますが、中には朝ご飯がない、晩ご飯をいつも一人で食べなければならない、留守番をさせられることがある、子どものベビーシッターのように扱われるなど、様々なトラブルが起こることも多いのです。こんなことは起こって欲しくないですが、小さい子どものベビーシッター代わりにさせられることはよくあります。そのような問題は子どもたちはなかなか口に出しませんので、昼間は子どもたち一人ひとりと話し、家ではどうしているのか、ちゃんとご飯を食べているのか、家族と良い関係は築けているか、英語の表現が分からなくて言いたいのに言えないということはないのか、ということなどを確認します。まさか添乗員の人がそこまでやっているとは知りませんでした(最も、添乗員も人によってはそこまでやらない人も多いですが)。

また、特にお昼ご飯は意外に問題が山積みです。日本ならばお母さん方が一生懸命可愛らしいお弁当を作ってくれますが、海外はサンドイッチなどが主流ですし、リンゴを丸ごと一個、お菓子の袋をそのまま、などという形でランチボックスに入れるホストマザーも少なくありません。しかしそういうお弁当を見ると、やはり日本から来た子どもたちはだいたいショックを受けます。日本のお母さんはリンゴをちゃんと剥いてくれるし、健康に悪いと言ってお菓子の袋をそのままお弁当に持たせるお母さんは滅多にいないと思います。普段ならばきっと「お菓子が欲しい!」などと言う子どもたちなのでしょうが、それが実現すると実際はショックを受けてしまい、「自分はホストファミリーに大事にされていない」「自分はホストファミリーに疎まれているんじゃないか」などと心配してしまうのです。これはもうホームステイのお約束なので、お昼ご飯の時は全員のお弁当を見て回り、ショックを受けた子どもに海外のお弁当事情を説明し、そして実際にお弁当がしっかり作られていることを確認しなければなりません。

また、ホームステイ中のスケジュールには「郵便局を訪問」「国立公園を散策」などと書かれていますが、もしそれが何らかの都合で実現しなかった場合はその代替案を現地のスタッフと話し合います。というのは、例えば単純に「諸事情により郵便局には行けませんでした」などと日本の保護者に説明すると、中には「その分のお金を返して下さい」と言ってくる人もいるのです… 所謂ダメージコントロールです。海外のスタッフの中には「行けないものは行けないんだから!」という人もいますが、その考え方は日本の需要には合いません。私たちはやっぱり日本に対して商売をしていますので、日本の保護者の方々が満足できるように現地のスタッフと話し合いをするのです。

帰国後のオリエンテーションで子どもたちが「楽しかった!」などと言ってくれたり、保護者の方が「子どもが楽しめたようです」などと言って下さることが一番の励みでした。”